前々回のクオリティ、前回のクリンリネスに続き、QSCのS=サービス(サービス、
接客)の持続的なレベルUPの手法をご紹介いたします。
過去二回のQSCについての記事をご覧になったかたは、もうお分かりかと
思いますが、基本的に目指している最終地点は、高いレベルで維持できることです。
QSCにおけるSはほぼ接客技術のことを指し、
サービス内容については、あまり関係ありません。
S=サービス(接客)とは?
サービス=接客については、すでに完全に浸透している言葉ですので、
今更意味はご存じだと思いますが、ここでは接客の定義を、
気持ちの良い態度でファンになってもらう!
という意味合いとします。
意味の捉え方に違いがあっても、それほど問題ではありません。
接客の向上を考えるとき、一番大切なキーワードは、、、
評価者はお客様である ことです。
接客の向上が一筋縄ではいかない理由のひとつが、
自己評価では正しい評価ができない
点にあります。
すべては他己評価、しかもお客様目線でないと意味がない能力なのです。
研修期間に徹底的に叩き込む!
タイトルから体育会系の研修を連想させてしまったかも知れませんが、
決してスパルタでやれ…という意味合いではなく、完全に身につくまで
何度も繰り返し練習させる必要があるという意味です。
ある意味、接客の研修は「スポーツ」に似てる部分があります。
本来、我々はお金を貰って仕事をしていることで、「プロ」であるはず
ですが、どうしても入社直後の研修期間は、まだ「アマチュア」で本来
お客様から接客の対価を頂戴するレベルには達していません。
なるべく早く、その中途半端な状態を研修をクリアするために、
徹底的に叩き込む必要がある訳です。
どの職場の新人研修マニュアルにも、「接客マニュアル」は存在します。
お客様だけでなく、同僚スタッフへの挨拶や、挨拶用語、レジ会計での
トークと動作の流れ…など、よっぽどの尖ったお店や、個人営業店でも
ない限り、存在するものだと思いますので、まずはなるべく早くその内容
をマスターしてプロデビューしましょう。
自己評価 と 他己評価
接客に関しては、実はお客様向けのアンケートで個人のレベルを
図ることは非常に難しく、質問の内容を個人に限定すれば、ただの
いじめのような回答になる可能性があるため、一般的にはお店全体の
「接客の印象」しか意見を集められません。
でも、実際にはお客様に向けての接客の印象を知りたい訳なので、
ここでは、「自己評価」以上に「同僚からの他己評価」が必須です。
自己評価が自分で思う自分への評価…であることに比べ、他己評価は、
同僚が自分の接客スキルについて、客観的に評価してくれるという
側面があり、それはお客様からの評価に近いものと言えます。
しかし、他己評価の効果を最大に発揮するためには、「自己評価よりも
他己評価が圧倒的に低く、大きなGAPが出ること」で、その場合、
指摘してもらったスタッフは、自分自身が自己評価が高い項目があることに
気づき、もっとレベルアップが必要なことを心から理解できます。
特に「笑顔」に関しての項目や、「お辞儀の深さ」など、できていると
思い込みやすい項目がGAPが出たときが効果的です。
他己評価は覆面方式で
他己評価は結果をフィードバックしないといけないことと、いつもの
状況を評価されないと意味をなさないため、誰が誰の評価をいつやっている
かを知っているのは、社員やごく一部のリーダースタッフなどの限定しておく
必要があります。
また、あるあるなこととして、評価する側がめんどくさがって、普段の接客を
想像して想像することで、チェック表を埋めるやり方はアウトです。
他のスタッフの接客の細部まで普段見ていることは少なく、覚えてない部分の
評価が高くなる傾向が出てしまいます。
必ず頂いた意見は面談時に相手に伝えて、必ず次回までの課題点を明確にし、
また、再チェックを行う時に、前回評価が低かったポイントがいかに改善できて
いるかを見ることをきちんと伝えましょう。
これをおさえておけば80点!
ここからお話することは、結構元も子もない話に聞こえるかも知れませんが、
ある意味、接客の真実だと思います。
高い接客スキルを持っているスタッフよりも、元気で明るく人懐っこい接客をする
スタッフの方がお客様から圧倒的に好かれることがある…ということです。
スキルの評価が高いか低いかではなく、単純にお客様から好まれるタイプのスタッフ
は、対外このスキルを自然に身に着けている場合が多いです。
結局、接客とは何なのか…につながる本質だと思っていて、接客の良さとは結局、
お客様を気持ちよくできているか?
が本来の目的なのだと痛感させられる一幕です。
ということは、結局、元気で明るい一生懸命なスタッフさんは評判が良いと
いうことで、元も子もないと先ほど伝えたのは、接客のこういう側面からです(^^;)
接客は素質が9割!
なんか似たようなタイトルの本がありそうですが…。
もし、このブログを読んでくださっている店長さんの中で、もう100人以上
は採用してきた経験をお持ちの方がいたら、おそらく同意してくださると
思うことが、、、
接客は、かなりの確率で「向いてない人」が面接に来る!
ということです。
これは、ずいぶんと面接を重ねてきても、いまだに謎な部分が多いのですが、
面接に来た人の3割、いや、もしかすると5割は「明らかに接客に不向き」な
性格の方がいます。。。
せっかく応募してくれているので、あまり言いたくないのですが、ただ、、、
君には接客より合う仕事が他にあるぜ!
と、言いたくなります。。。
間違っても、そういう接客不向きタイプ(極度の人見知り、笑顔無し、敬語
使えないなどなど)の方は採用してはいけない。
たとえ半年以上在籍して数をこなせたとしても、恐らくおととい採用した
明るく元気な新人スタッフが、あっという間に抜かれてしまうと思う。
お客様にとっての良い店員の9割の要素の中には、「元気で明るい」で
あり、その第一印象だけで90点をあげたくなるから。
少し厳しいことを言えば、接客を売りにするお店を作りたいなら、
接客向きのスタッフをそろえてしまうのが一番です。
その前提で採用したスタッフに新人研修で徹底的に、その店の接客を
叩き込み、定期的に行う、自己評価・他己評価を使って軌道修正や、
更なるレベルアップを仕掛けることで、冒頭の高レベルを持続させること
が可能となるのです。
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