迷える新人店長さん向けのブログなので、ベテラン店長さんには
『知ってるよ、それぐらい』と言わそうな基礎的な記事です。
簡単に言うと、お店の状態をなるべく高いレベルを維持するための
運営の知恵です。
かなりの小売り店がこの手法を日常的に使用していると思われ、
その呼称もマチマチで,「運営チェック」とか「クオリティチェック」、
その中でも「QSCチェック」の名前をよく聞きます。
QSCとは?
QSCチェックのことを説明する前に、QSCがどんな意味を持つのかを
説明したいと思います。
ブログのタイトルは『クオリティを上げる』なのですが、このQSCの
Q(クオリティ=品質・状態)
S(サービス=サービス・接客)、
C(クリンリネス=清潔さ)
を表しており、どれもお店が人気店になるのに避けては通れない指標です。
実は、よく朝礼などで店長さんが『クオリティを上げよう!』みたいな
鼓舞をしている時は、意外とQSCすべてを指している場合が多いと
思います。
なので、このブログで説明するのは、クオリティのみに特化せずQSC
全体が高いレベルで維持できる方法をお伝えします。
QSCを上げる目的
QSCを上げる意味は大きく分けて2つ!!
ひとつは、、、
顧客満足度(CS)を上げるため
ふたつめは、、、
従業員満足度(ES)を上げるため
です。
どちらも一度は耳にしたことがあるかと思いますが、
顧客満足度も従業員満足度も、読んで字のごとく、客と従業員の
お店に対しての満足度のことです。
一見、お店のQSCを上げることがなぜ従業員の満足度にもつながる
のか…と思う方もいるかも知れませんが、答えは単純です。
地域で評判の良いお店で働きたいから です。
ひとつのQSCチェックという運営ツールをきちんと活用する
ことで、お店の内外(顧客・従業員)の満足度を一気に上げる
ことができますので、ぜひ、この手法をマスターして取り入れましょう。
まずはアンケートから
※今回は顧客満足度をアップする仕組みにフォーカスして話します。
このQSCチェックの、チェック項目を作る時、絶対やってはいけないのが、
自分ひとりでリストを作ること です。
最低でも一か月程度の時間を取って、お客様にお店について
のアンケートを募集しましょう!
アンケート自体で聴く内容は店長や社員、アルバイトリーダーなどの
経験値がある人が、土台を先に作ってしまうで問題ありません。
その際に、ポイントとして、クオリティ、サービス、クリンリネスのどれに
該当する質問なのかは、しっかり区別して作成しましょう。
評価は三段階がシンプルで、◎・〇・△・×など、直感的に評価しやすい
カンタンな選択肢にします。
また、なるべく多くの意見が記入できるスペースでフリーコメント欄も
ぜひ準備しましょう。
このアンケートは少なくとも半年に一回、できれば四半期に一回ぐらいの
ペースでできるのが理想です。
お客様には年齢・性別・頻度・利用時間帯
などの情報も、記入をお願いできると得られる情報の精度が高くなります。
チェックリストの作成の仕方
アンケートが回収できたら、項目ごとに点数を集計し、評価が高い順で並び替えます。
また、フリーコメント欄で同じ意見が重なる時は、それも抽出します。
すべてのマイナス意見についてリストに加えようとすると、やることが多すぎて
一つ一つの改善の質が下がりがちになります。
そのため、毎回アンケートを取ったら、集計結果の下から三番目までの、
低評価項目だけをリストに加えるようにしましょう。
アンケート➡効果的な【頻度】【精度】でリスト化する!
ここまで来たら、もう一歩!
①アンケートでマイナス意見の多かったコメントを抽出。
②それをチェックリストの候補にする。
、、、ここまではやりました。
あとは、それらの【頻度】【精度】を決めます。
お客様から『店頭のゴミ箱がいつも溢れている。』という意見
が多かったとします。
そして、そのご意見を記入した方の多くが【夕方~閉店】までの利用者
に集中している場合、その時間帯の清掃が不十分だということが
分かりました。
ただ、人も時間も無限に使える訳ではないので、夕方というピークタイム
のまっただ中に、どんな頻度・精度にすれば実施可能なのか…を実際の
スタッフさんの意見も交えながら決めていきます。
このチェックリストの作成過程で、最も重要なのがこのパートです。
ただ、いくらでもリストの内容は変更できるので、完ぺきなものを
最初から作成しなくても大丈夫です!(^^)
PDSA化させ、ぐるぐる回す!
このリストをもとに、【決まった時間帯に】【決まった項目を】
【決まった時間内で】チェックすることで、どの時間帯に来店する方も、
満足できるようなレベルの高いQSCを誇るお店で満足度UP間違いなし!
、、、と言いたいところですが、実は、そう簡単にはいきません。。。
次のアンケートを行った時には、新しいワースト3が出てきたり、
前回と同じ意見がまだ多く寄せられたりします( ノД`)
でも、ご安心ください!!
それもQSCチェックの醍醐味なんです!
きちんと、次のアンケートで頂いた意見を分析し、
P(立案)➡D(実行)➡S(確認)➡A(改善)
をアンケート結果を頂戴する度に行い、どんどんレベルが高く
なる運営をめざしましょう!
たとえば、四半期に一度アンケートを取り、それをQSCチェックに
加えていくとします。
三か月も掛けて、下から3つの項目の問題点が無くなるように仕組み
づくりと実践ができたら、1年間で12項目もの不満材料がお客様から
無くなる…ということです。
これは普通に凄いことだと思います。
もちろん10年たってもアンケートの中にワースト3は毎回出てくる
でしょう。
でも、それは、他のお店のワースト3のマイナスイメージに比べた時、
かなり微々たる不満に変わっていることでしょう。
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